虹子

『わざ』
えっ!?
なぜ?
いいの?
おまつりじゃないのに
すずもたいこもならないのに
よるのおでかけ。
かぜふくふゆのまちを
タオルをもってゆく。
おそくなるとぶっそうだから
おにいちゃんとおねえちゃんたちが
なるべくはやめにかえってきたら
すぐのしゅっぱつなの。
くらいみち
まだすこうしあかるいみち
あったまりにゆくよ。
おおきなおふろへ。
おうさまのひろいおおきなおふろをめざして!
そこでは
みんながはだかになり
ふー
きもちのいい
よいおかおをする。
じゃばーっとさっぱりになり
せっけんのよいにおいになり
ぴかっときれいになって
かえってくる。
はやくおふろにはいったから
はやくねむりましょ。
あきのよながはもうおしまい。
ふゆです。
ほしがきれいで
くびがさむいふゆ。
あったまろ。
せかいいちおおきなおふろ。
おふろにでかけるひの
はじまりのあいずは
こさめおねえちゃんが
きゃー
みずだー
おおきくさけんで
ヒカルおねえちゃんが
よし
みてみよう!
よくわからないけど
なおるんじゃないかな!
みにいって
やっぱり
どうにもならなかったけど
おにいちゃんなら!
よびにきて
みんながちょっとぬれて
タオルでふきながらふるえている。
それをみたみはるおねえちゃんが
わかったわ
おふろね!
おおきな
おふろね!
はやくも
よいえがお
みんな
ごきんじょのおふろのばしょは
わかるわね!
おふろのマナー
おうちでも
ちゃんとまもっているよね?
なんと
きたえた
おふろのわざがあるの。
たのしむため
きれいになるため
みんなではいるため
いつのまにかみんなは
おふろをまなぶ。
それは
たのしいだけじゃなかったおふろ。
よいおふろの
わざをみがくおふろ。
だから
おそとのおおきいおふろでもだいじょうぶ。
ほんとうに?
おそとでも
たのしい?
きれいになれる?
みんなできもちよくはいれる?
はしらない?
はだかでうろうろしない?
さむいまち
あたたかなおふろがまっている。
そのときがきたよ。
ふゆのまっただなか
おうちのおふろがみずだから
あったまるため
みんな!
おうちでまなんだ
おふろのわざ
きれいになり
なかよくなるために
それぞれがもっているでしょう?
しんぱいでも
ぶっつけほんばん。
だいじょうぶ。
できるよ。
あんなにみんなで
はいっていたじゃない。
おにいちゃん!
にじこ、きれいにからだをあらうね。
みていてね。
はだかになって
よいあわをたてるね!
みんながじまんの
おふろのわざがあるの。
だって
あったかいのがすき。
かたまで
ゆっくりゆっくり
つかるのがすき。
ああ
ひろいおふろ。
うたいだしそうな
きもちがすき。
だから
わざをためそう。
さむさにまけずに
みずのおふろをなげすてて
いざ
わざじまんたち。
くらくなるから
さあ!
はやめに
でかけよう
ふゆのまちへ。