立夏

このゆびとまれ
立夏と遊ぶもの
よっといで!
春休みになって
青空ちゃんとさくらちゃんがあっちやこっちに
ぴょこぴょこ飛び回っているものだから
これは遊んであげなくてはいけないような気がした
楽しいこと好きリッカだよ。
何からはじめる?
候補は──
かけっこ
ボール投げ
トランプ
おりがみ
指ずもう
紙風船と、
それから
お菓子作りや
あとは
そのた!
日なたでねっころがるだけの遊びとか。
どの子の体の伸ばし方がいちばん芸術的か、みたいな?
春を迎えるお支度で忙しいお休みが続くと思いきや
たまにふっと時間がすっぽり空いて
あらら?
こんなとき、普段はどうしていたんだっけ
みたいになるのが
何かとばたばたしている時にはありがち。
だけどリッカは元気が売りというか
元気しか売りがない
そうぞうしいだけの女の子。
少なくとも今は。
だったらこんな暇なときに
何かすることないかなあなんてぼーっとしていたら
つまらないでしょ!
なんのための
普段からやんちゃなあばれんぼうなんだ、
って恥ずかしいじゃない?
いっぱい遊んでもらって
わがままいっぱいまとわりついて
ダイスキな人から
こんなときにできる
なーんにももらっていないのか!
なんてね。
べつにやさいいオニーチャンは
リッカがしつこいから相手をしてくれるだけで
妹のお世話をして役に立つようになることまでは
期待していないのかもしれないけど。
なにしろまじめなことではなんにも実績がない子。
ただにぎやかなだけで
元気なのはいいことですね
これからは落ち着いて物事を考えるようになるともっとよいでしょう、
などという評価を
知り合う人のはしからはしまでだいたい同じように伝えられてきた立夏
大きくなれよ、
ぐんぐんのびろ!
みたいな?
すべては
やがて自然と
落ち着きが出るようになってから。
どうしたらそうなるのか?
誰も教えてくれない。
大人っぽく分別を身につけたリーダーシップを取れる子と
いつまでも甘えてねっころがり
ひなたにいるだけでも隣に好きなオニーチャンを引きずり込む子とでは
どう違う?
そのうち──
わかるようになるって。
やがて大きくなったら。
立派な子も
うっかりやさんも
どうしても、ここにいなきゃいけなかったということを。
立夏はたまに考えるだけであって
いつまでも答えが出ないような気がするのであった。
かっこよくて
知的になれるのかなあ
想像はしてみる。
まあそれはそれ。
寒い時にはなかなかなかった
ぱーっと広がるようないいお天気になったら
わらってる。
ときめいてる。
聞こえる歌にあわせて体は揺れている。
いつも元気だね、
立夏のとりえだね、って
こういうことなのかも。
あれは、虹子ちゃんの歌だよ。
てきとうだ!
でも、楽しそうだね。
今日は先生になってもらえそうかな?
教えてもらいたいこと、いっぱいあるよ。
思いつきと無駄にあふれる元気で
今日も暇な子を引き連れてその場の勢いで突き進むよ!
そのうち大きくなったときのことは
まだ何にも思いつかなくて
早く、今すぐって
胸がぎゅうって涙が出てきそうでも
そんなのは
立夏はぜんぜん得意じゃないよ。
他のみんなよりももっと
世界中のどこにいる誰より
わくわくして
大きく飛び跳ねたら
なんだか自慢できそうなつもりの単純な子。
今も昔も
たぶん、まだもうちょっとのあいだは
そんな立夏だよ。
春が来た!
はるやすみー。
みんなを誘って
それからなにからはじめるのか
立夏は自分でもなんにもわからないまま
とにかく大はしゃぎだから
計画もなしでオニーチャンをひっぱっていこう!
どこに行くのか?
うきうきどんな歌が勝手に出てくるのかな?
それは誰にもわからないから
ひみつ!