『延長戦?』
いちばんシンプルで
何の迷いもなくまっすぐに進むということは
実はとても難しい。
ちょっと変り種を入れたり
かなり小技に頼ったり
いろいろしてみたって
いちばんすなおで真正面から
王道を突き進むにはかなわないの。
かなわないけど
一つ失敗したらあとはフォローする手段が全くないって
さすがにかなりきびしいです。
プレッシャーとたたかう女の子。
お料理を食べさせてあげたい人がいる時、
乗り越えなければいけない相手は恋人ではなくて自分なのではないか……
こ、恋人ではない?
まあそのへん細かいことはいいの。
蛍も今日はお好みでよかったらどうぞと
豆板醤が隠し味のあまからつけダレを用意したりして
なかなか変化球を混ぜてみたりもしたけれど
こんぶ出汁としょうゆの味付けで
何の変哲もない、ただひたすらおいしいだけのまっすぐな寄せ鍋。
挑戦してみました。
してみたかったの。
何か、パワーが有り余っていたのかな?
休日ですものね。
たまには、そうだなぁ、週に一回くらいは、別にしなくてもいいところで
とことん自分の好きなように
やれるだけの力いっぱいを出し切ってみたいんです。
別に、本当にそんなにちょくちょくやっているわけではなくて
結局は半年に一回か二回くらいになるのかなあ……
もうちょっとあるかな?
そんな感じのどきどきはんぱない盛り上がりを。
今日は、できたかな?
ちょっとわき道に逃げたかしら?
ま、このくらいは許容範囲でしょう!
具材も最小限にまとめてかっこよくしたかったけれど
けっこうにぎやかになりました。
これもたぶん鍋料理の王道ですよね。
おなかいっぱいになるまで好きなものをとって
個性的な味や名脇役や後半の追い上げに強い子や
一つの取り皿の上で
けんかをするのではなくぶつかりあう
おすもうみたいな、なんというか……
まあいいや!
おいしい満足の声がたくさん聞けたら
多少の失敗や後悔は吹き飛んでしまう。
よーし
明日も同じものを作って喜ばせてあげるか!
なんてね。
困らせちゃいますね。
今日でおしまいの鍋料理一週間。
寒さが厳しい日に、みんながいるわがやの中で
お兄ちゃんの心がほんの少し暖かさを取り戻すお手伝いができていたらいいのにな。
力及ばずだったら
再チャレンジです!
あつくるしく!
みんなに暖かさをあげたいはずが、誰よりもホットになったよ。
いつもしてあげたいことが思いうかぶ
お兄ちゃんがそばにいてくれるおかげかな?
ちがうかな?
ちょっとちがっていてもいいか!
なぜだか蛍はいつもぽっとあたたかくて、うれしいんです。
ごろごろころがったり、正体不明のパワーをもてあましたりしているんです。
お兄ちゃんがいっしょにいてくれるのって楽しいね!
明日は目先を変えてえびか大根かわけのわからない方向に気分で決めてみるかあ、
と考えていたけれど
雪溶けのようにのどかにぽかぽか過ごしやすかった日のあとで
またさむくなるって!
もー、天気の変化ってわからないものです!
これは明日からもしばらく
泣きの一回、
もう一回!
で、あったかおなべの期待が高まるかもしれないんです。
少し感じを変えてからのほうがいいのかな……
そしたらじらしているうちにおなべの旬を逃してしまいそうだしな。
旬っていつなのかって?
食べたいときが旬なんです!
冗談です!
半分くらい本気なだけだよ。
蛍の揺れる心も天気と共に予測もできずに飛び回るのだろうか。
それはめんどうくさいようなわりと退屈しないような
一緒にいる人の意見はどうなのかな?
聞いてみたいです。
感想、長くなってもいいよ。
なにしろまだ夜が長い季節。
のっそりひがのぼる冬の朝まで時間はたっぷりあって
あとはただ、今夜は眠気との勝負なんですから。