『さくらあじ』
うまれたときから
さくらは
さくらのおはなのこどもだから
さくらちゃん。
ピンク色で
ちょっといいかおり。
さくらんぼの実もなるよ。
そめいよしのの
よしののおにわに
さとうにしき。
さくら……
みる子
たべる子
うたう子も
いろいろあるのね。
たいへんだな?
うめのおはなのこどもは
うめちゃん。
うめちゃんって
むかしのおなまえ。
おともだちにはいないけれど──
おともだちの
いなかのおばあちゃんの
そのまたおしりあいが
うめちゃん。
うめぼしだいすきだから
おとしをとっても
うめちゃんなんだって。
うめは
ごはんにあうよね。
きゅーってなっちゃうけど。
ホタおねえちゃんは、うまいぐあいにおさとういれて
すっぱすぎないで
ごはんのおともをつくるから
えらいおねえちゃん!
そしたら
ごはん
すすむ
すすむ
どんどんすすむ。
おかわり!
おかわりのおうち。
うめちゃんち。
でも、ななくさがゆは
どっちかというと
くさなの。
うめではなく
さくらんぼでもなく
おはなのほうが
ちかいおなかま。
くさのおりょうり
ほろにがいかおり。
ゆでて、あくをとって
しおをふる。
おさけ、おしょうゆをちょっぴり
かおりだけつけて
うえにはんじゅくたまご。
おうちのななくさは
つきみ──
ななくさがゆ!
かまぼこもひときれ。
おしょうがつのおはなは
あまくなくて
まだきれいにさいていない。
えいようと
おいしさと
きせつらしさと
かわいさと
あとあと
ななくさがゆで
あったまるえがお!
などが、はいっているから
おはなのおちゃわんにもった
おはなのおかゆ
のこさずたべます。
さくらのおはな、
おしょうがつのおかゆじゃない……
はいっていないの。
うめも
ないない
それが、おしょうがつのおかゆ。
さくらといっしょで
うめちゃんは
とおくのどこかで
あれ!?
うめ、はいってないの!
ざーんねん!
おなまえのおはながなくて
かなしいおうたをうたう。
そのあと
もりもりたべたら
おいしいのおうたを
かぞくのみんなと
うたうかな?
さくら、ちょっとさましてたべるから
ふーふーして
まだおいしいおうたじゃないから……
ふーふーのおうた!
おしょうがつのおはなは
ななくさだよ。
はるのおかゆは
うめがはいって
おいしいな。
なつのおかゆは
ももがはいって
あまーいな。
さくらのおあじの
さくらおかゆは
うすいさくらいろ、かわいいおかゆ。
できるのは
さくらがおかゆを
ふーふーしなくてもいいくらいのころになったら
さくらおかゆ。
ふー
ふー
たべるのおそいさくらは
はるがきても
なつがきても
ななくさがゆ、さましているかしら?
あしたから、ようえちえんがはじまりますから
おべんとうにちょこんといれてもっていくの。
さましながらたべよ!
ほろほろ
ほろにが
ほんのりみどりいろ。
あったかおかゆは
ふゆをのりきるアイデアおかゆ。
まだ、さくらのおはながさくころはとおいから
おなかの中から
からだをじっくりつくっていこう!
たべるの、いそがなくていいよって
ホタおねえちゃんがいってくれるの。
おしょうがつではじまるあたらしいとし
さくら、ゆっくり
だんだんふゆにまけないつよい子になりたいです。
なれなかったら
かなしいな……