さくら

『ごえんだま』
あしたのおしょうがつは
はつもうで。
あったかくして行くのよ?
お兄ちゃんと手をつないで行くの。
それはそれはたいへんなこと。
人がいっぱいで──
手をはなしたりして
はぐれたら
かえれないよ!
おそろしいはつもうで。
でも、いちねんのいいことをおねがいするよ。
らいねんもえがおいっぱいで
お兄ちゃんといられますように!
あしたがきたら
らいねん。
としがあけるから
あけましておめでとうございます。
らいねんも、じゃなくて
手をあわせて
すずをならして
ふりそでのそで、みぎとひだりがふれあって
ことしもいちねん
おねがいします。
ごきんじょのじんじゃは
あなばのじんじゃ。
みづきちゃんのしってる、むかしなじみ。
ごりやくがあって
れきしがある。
きつねのかわいいじんじゃ。
あかるい子をみまもる
かみさまがいるよ。
いっしょうけんめいなおねがいは
かならずかなうよ。
みづきちゃんのほしょうつき。
てきとうな子は
かみさま、しらないよ。
ごえんだまをもって
まじめにすずをならしましょう。
ホタおねえちゃんにもらったごえんだま。
ごえんがあるから
ごえんだま。
あたらしいとしに
おともだちができますように。
おもしろいおうたをおしえてもらえますように。
お兄ちゃんとあたらしいあそびができますように。
ごえんひとつをもって
おねがいごとをいっぱいもって
おでかけするの。
だいじなだいじなごえんだま
かみさまにあげて、おねがいです。
おさいせんばこ
っていうのがあってね、
からからいうの。
こぜにをなげると、からから。
だから、なげるのよ。
どんなおと?
おさいせんばこのからから。
わらってるような
えんぎがよさそうな。
いいことがありそうだから
はつもうでには
お兄ちゃんに手をひいてもらって
おねがいごといっぱい
こっちのむすんだ手に
ごえんだまをもっていきます。
ごえんが──
ありますように!
よくみてみると
まんなかに、あながあいてるね?
ごえんだま。
みぞれちゃんがのぞいて
みらいをとおくまでみとおす
えんぎのいいごえんだま、
ってわらってた。
あながあるって
いいことなのね!
くつしたのあなは、かわいいあな。
あながあいてるーっ!
ゆびをだしてわらってしまう。
ごえんだまのあな
ちいさくて、ゆびがはいらないけど
とおくがみえるよ。
いっぱいみえる!
お兄ちゃんがいる!
さくらのごえんだま
えんぎがよさそうね!
らいねんもよろしくおねがいします。
あしたになったら
ことしもよろしく
です!
お兄ちゃん、おしょうがつのあさに
さくらがものすごいかおですっとんできて
いちねんのはじまり!
あけましておめでとうございます、
っていったら
まじめなんだから
わらっていないで
いちばんはじめのごあいさつ。
あけましておめでとうございます、って
いってくれなきゃだめよ?