星花

『雪の降る』
11月も半ば!
年末で忙しくなる前に
何かしておくことあるかしら!
カレンダーの前で跳ねる海晴お姉ちゃんや蛍お姉ちゃんたちの周りで
オーノー
オーマイ
エキサイティン!
立夏ちゃんと
小さいみんな。
サンタさんが外国から来ると聞いておぼえたの?
今ちょっとうちわで流行っているというだけ?
ともかく
あと残り二枚になった毎月のカレンダー。
日めくりもあとわずかになったね。
気がついたらこんなにぺらぺら……
大きく書かれた数字の一枚一枚
はらはらと過ぎていった時間に
目に見えない何かを積み重ねて行ったような
いろいろあった一年も
まだけっこうあるのかな?
今日明日あたりはわりとあたたかいらしいとお天気予報でも言っていましたが
何しろ油断したら
どこから伏兵の奇襲が飛び出すかわからないので
お兄ちゃんも注意してくださいね!
大敗からの逃亡の道で
自分ならここに待ち伏せの兵を置くであろうと思ったら
ちゃんといるのです!
たぶん。
そんなときには
かつて正しく積んだ徳を覚えている人がちゃんといて……
っていう言い方だと、三国志というか蜘蛛の糸みたいになってしまうから
えーと、とにかく友情や信頼を覚えてくれる人がいるのです。
まもなく年の暮れでも大事なのです!
人と人の絆……
天下を目指すそれぞれの生き様を駆け、時には道を共にし、お互いを認め合える者たち……
大人になったら
できるはずです!
きっと……
こんな話を聞いてくれる夕凪ちゃんは
夕凪には星花ちゃんが一生の友、
大人になってもラブの魔法で結ばれている家族なのだと言ってくれて
うれしいけれど
ちょっと違う……?
それとも、気がついてみて気付く強い友情ってあんがいこういうふうに結ばれるもの?
考えてみれば、星花がピンチに陥ったとき、
たとえばむかし小さい頃、まだ今より子供で体もがっしり頑丈ではなかったとき
冬に風邪を引いてしまったすぐそばで
おおあわてでおかゆを急いで運んでくれて
途中で足を滑らせて転んだり
ぐったり眠っている横から
元気になった?
早くよくなって!
らららまじかるるー!
ゆすったり、おどったりしてくれて
星花のことを思ってくれていた一番近くにいる友達。
こうして積み重ねてきた日々を思えば
なるべく風邪は引かないで健康でいようと願う気持ちを新たにするのです。
あ、ほら、心配をかけたくないとかそういう感じで……
だから、今週はお天気がだいぶ不安定と聞いた夕凪ちゃんが
もし急に寒くなったら真っ白な雪になるのにな
どしどし大雪で
いきなり年末気分は盛り上がるのにな!
と楽しそうでも
星花はやはり
寒い時期が来るとしても
きっと必ず訪れる厳しい季節があったって
もう少し後でいてもらえたら
ほんのちょっとの積み重ねの日々を経て
冬への準備も今よりできているかなと
先のことはその時に任せてしまえる
ポジティブな……
脳天気な……
アリとキリギリスでいうところの、キリギリスの立場のような……
あれ?
じゃなくて、毎日冬への備えを着々と地道に
暖かい明かりが灯る部屋で過ごす、勤勉なアリさんたちの家族でいられるように。
キリギリスさんみたいな夕凪ちゃんがいても、おうちのみんなは追い出したりしないけど
星花とマホウを誓い合った一生の友は
やがてお兄ちゃんの隣に二人で立つのだから
寒い冬も健康で何事もなく
いつもいつも、あまりに元気すぎるってびっくりするくらいに
また、これからもいられたら。
楽しい雪が降って
寒さが厳しくなったら、星花ができることで守ってあげられるかな。
そんな友情の日々を過ごす様子を思う
冬の訪れが近い季節
お兄ちゃんの妹たちでも、仲の良さが自慢の二人です。