虹子

『りゅうこうはっしんきち』
おにいさんと
おねえさんが
あつまったらはじまる
うわさばなし。
しってる?
はるのおようふくをかさねる
ことしのいろ。
じゃあこれは?
みたひとがいるって。
こうえんのゆうれい。
ひえーっ
ぶるぶる。
あんなこと、こんなこと。
きいたことのないおはなし
しんじてしまいそうだな。
いやいや、まゆつばものだな。
ゆびをぺろぺろ
にじこのまゆに
おまじない。
ひとがいっぱい
あつまるところには
しらないうちに
いろんなおはなしがあふれる。
そのばしょは
こたつ。
がっこうのじかんは
だれもいないけれど
こえがきこえたら
とんでいく。
おかえりなさーい!
にじこにおはなししてください!
ひとがあつまると
またひとをよんで
にぎやかになる。
しってるえほんも
あんまり
みたことなかったえほんも
こたつから
りゅうこうのはじまり。
ユキおねえちゃん
ごほんよんで!
つららおねえちゃん
ごほんよんで!
つららおねえちゃんは
ほかにきになっていることがあるんだって。
あとでね。
ホワイトデーがおわって
おかしのおひろめがかたづいて
きせつは
はる。
あとは、はるやすみをまつばかり。
それでも。
まさか
ホワイトデーといっしょにされたのでは?
つららおねえちゃんはさがしている。
まちがってだれかたべたかも?
ちょっとちがったふくろはなかった?
こうきゅうなチョコをあげたのだから
こうきゅうなおかえしが
あるはずよ。
だって
さんがつじゅうよっかは──
ただのおかえしのひ、
ばかりじゃないもの。
つららおねえちゃんのさがしもの、みつかった?
ひとがあつまっても
なかなかこたえがでない。
こたつは
どうも、ねむくなるからいけないのでは?
あたまのかいてんが
いつもよりなんだかおもいみたい。
つららおねえちゃんに、ねつはない。
ほんとうは
こうしてだらだらやすむのも
たいせつなことなんだよ。
あたまをからっぽにするから
いいアイデア
うかぶこともあるんだよ。
みぞれおねえちゃんがいってたよ。
わたしは
あまり、そういういいアイデアがうかぶことは
ないがな。
ただ
ひつようとしていないだけだから。
こうしてかぞくみんなでいることが
なにより、うれしいから。
もしもつららがのぞむなら
かならず
おもいうかぶだろう。
ねがいはかなう!
こたつだから!
どんなりゆう?
ひとがあつまるから。
きっとそう!
いつもわいわい
にぎやかだったら
ねがいはかなう。
どんなことでも
ここから──
ぜんぶ、はじまっていく。
それが
ひとのあつまるばしょ。
こういうのは
いきおいだから
なんでもいえばいい。
おねがいしたもんがち。
だから
にじこがこたつで
はなすうわさは
あしたも
あさっても
たのしかったホワイトデーが
またやってくるというおはなし。
みんなでいつも
おまつりみたいにすごそう!
そのじかんのなまえは
はるやすみ、

いうそうですよ。
かぞくみんなですごすはるやすみ。
もうすぐなの。
こころのじゅんびをしておかなきゃ
あっというまだよ。
おいていかれちゃう!
いそげ!
チャンスのまえがみをにがさないで!
たのしいことが
みんなのいるところから、まだまだひろがっていきます。