ヒカル

『予防が大事』
風邪が流行る季節。
家の中でも合言葉のように
交わされる
気をつけてね!
ささやき。
山と言ったら
川。
扉を見たら
オープンセサミ。
となると
風邪には気をつけよう、
うがいてあらいした?
そんな話になったときは
気をつけてるよ、
大丈夫。
もともと
体は丈夫だから。
山のごとく
だから。
自然に頭に浮かぶままに
心配しないで、
いつも
そう答えていると。
山のごとくは
丈夫さの例えとは
違うような?
ふうりんかざん
と指摘してくれることがあって。
いつも忘れてしまって
繰り返して
気をつけようと思って
また忘れていた。
どこで妙なインプットがされたのか?
疑問に思うことがたまにあるのは
そこを指摘するより先に
大丈夫じゃあ
ないでしょ!
風邪は怖いんだから!
怒られるほうが多い
そんな人が多いから。
合言葉の答えは
どうも違うみたい。
ヒカルちゃんは
山じゃないし!
たぶん山だって
こんなに寒かったら
気をつけなくちゃ
風邪をひくし!
ちからじまんの元気な子も
もっと力強い私たちの王子様も
冬の寒さは油断できない。
王子様は春風の言葉。
冬が来て
オマエのことを特に心配しているようだから。
帰ってきたら
うがいてあらいをして
あったかくして
栄養をとって
元気に遊んでいないと
風邪を引きやすくて心配なのは
どこのおうちでも同じ。
山だって
川だって
林だって
あと、風と火も間違いなく
お姉ちゃんたちに心配されながら
愛しあう家族に見守られて
健康に育っていきます。
私たちがそうだもの。
どこのおうちだって
暖かく見つめる視線は
そこに愛があると
信じています。
どうやら春風は
そう信じているという。
山や川か……
大きく育つのは、何万年もかかりそうだけど
たくましく育つといいよな。
見守る家族も気が長いような
想像してみると
その間ずっと
楽しそうな気もするかな?
ともかく私たちは
それよりも自分たちの
この冬の心配が先だな。
私のことなら、そう簡単に
風邪は引かないと思うけど。
こんなに急に寒さが強くなってくると
声を掛け合って冬を乗り切ろうとしなければならない
家のみんなは
誰もが風邪に強いわけではないので
気をつけていても
ついやられてしまうことだって
あるかもしれない。
冬の寒さは
なんのこれくらいと耐えるつもりで鍛えても
やはり結構きつい。
慣れていても、
負けず嫌いでも、
なかなか手ごわい相手。
もしも誰かが風邪を引いてしまったら
その時もたぶん平気でいそうな
私が何かできるのかな。
おかゆは……
無理かな。
りんごも
病人にやさしく
食べやすくきれいに切れないな。
着替えさせて、体を拭いてあげるならできそうかな。
あまり病人の体に無理をさせないように、とはいかない
力技になりそうだけど。
おでこを冷やすタオルも
あんまりきつく絞りすぎてすぐボロボロにしそう。
いや、これは冗談だけど。
さすがにそこまでは。
でも、何度もこまめに取り替えたいから
やっぱり腕力が強めだと
早く痛むかな?
取り替えたタオルのぶん
早く風邪が治ってくれるならいいんだけど。
そういえば昔
まだ私が小さくて何もできなかった頃に
春風か海晴姉だったか
記憶もおぼろだけど
誰だったかの風邪が心配で
枕元で様子を見て
つきっきりで看病しているつもりでいたときは
そのまま眠り込んでしまって
後で見つかったときに怒られたことがあったような気がするな。
人にうつせば治ると言うけど
私にはなかなかうつらないだろうな……
どうも風邪の話になると
昔から怒られっぱなしみたい。
ふだん縁がなくて
そういうのにむとんちゃくだから?
今も昔も。
風邪の心配があまりない体だって
怒られっぱなしでは情けないから
だんだん心がけるようにして
いつかそのうち
私のほうから
こらっ!
そんなことをしていないで
風邪に気をつけないと
いけないぞ!
と、言えたら面白そうだけど
その状況ってつまり
寒そうだったりして体に悪いんじゃないかと
私の目から見ても分かってしまうくらいの状況
ということだから……
ないほうがいいかな。
これからも、怒るより怒られるほうが多いはずの
風邪対策の季節。
せめてあまり
悪い見本にならないように
恥ずかしくない冬の過ごし方ができたら。
オマエも健康なほうだけど
油断しすぎて、あんまり怒られたりするようなら
そういうことにうるさくない私のところに
春風に隠れてこっそりしのんで
のんびり
ぬくぬく
していくといいんじゃないかな。
暖かい用意をして歓迎するよ。