虹子

『おまつり』
はじまったよ、
おまつり。
あっちのほうから
ぴーひゃらとん。
みんながこどもになったみたいに
さそわれてしまう。
ふえのおとが、
たいこのおとが
まちじゅうおどりだすと
しょうてんがいもおまつりいろ、
えんにちのおみせもいっぱい。
やきそばじゅうじゅう、
わなげでわいわい、
ぴーひゃらとん。
よっといで!
きょうのおまつりで
いちばんなにより
おいしいものは
たこやき?
わたあめ?
ぴかぴかりんごあめ?
たのしいことは
おめんかな?
しゃてき?
きんぎょがひらひら
およいでいるね。
みているだけで
わくわくする?
どれをかったら
このなついちばんの
すてきなおもいで?
どこにいっても
てにはいらない
それは、なつのおもいで。
りゅうぐうじょうでも
がいこくでも、
おうさまのおしろだって
みつけられない、あついひととき。
わいわいあつまるひとたちのまえに
ちょうちんのほのかなあかり。
もうすぐとおくにいってしまう、あかあかな
なつのおわり。
おこづかいでは
ぜんぶはむずかしい
ずらずらりならぶよ、おまつりのおみせ。
どこからみてまわろうか?
なつやすみのおしまいにてをふったら
さいごにやってきた、きょうはとくべつきれいなまちなみ。
なつやすみでいちばんにぎやかなおまつりが
にじこたちのまちにやってきたの。
おうちでゆかたにきがえたら
てをつないでいこうよ。
ぽっくりぽっくり
ちょっとはやあしになって
いま、このまちのどこかにならんでいる
みたこともないものをさがしにいく。
だって、わくわくするひがやってきたんだもの。
なつやすみさいごまでまっていたにぎわい。
もう、みんなのこころは
きょうがさいこうのもりあがり。
いっしょにでかけて
みんなでみつけるよ。
おまつりのたのしさが
ぎゅっとつまったおみせに
くださいな、っておこづかいをよういしたら
おにいちゃんは、にじこのいちばんよろこぶものをみつけたくて
もうなにがあっても、てをはなさないの。
おまつりのひのおやくそく。
ひとがおおぜいだから
まいごにならないように
おにいちゃんかおねえちゃんとてをつなぐこと。
はなれたらだめ。
もしもまいごになったら
にじこがおおごえでないたって、きこえない。
おまつりのひとなみ。
おにいちゃんが、にじこーってよんでも
わからない。
なつまつりだもの。
まちじゅうがわいわい。
かわいいにじちゃんは
ひとのなみにおされて、みえなくなってしまいます。
そんなのいけない!
おまつりのあとは
にじこもおうちにかえらなくちゃ。
だから、てをつないでね。
きをつけましょう!
まいご。
それからね、
きょうはくもりで
てるてるぼうずは
そこそこのこうか。
でも、おまつりがちゅうしにならなくてよかった。
はだざむいひは、もうひとつのおやくそく。
ゆかたのうえにいちまいはおっても
まださむかったら
ちゃんといいましょう。
あったかいおちゃで
ほかほかしようね。
おにいちゃんにだっこしてもらって
ぽかぽかになろうね。
あめまでふりだすさむさだったら
おうちにかえろう。
ゆかたから、あったかいふくにきがえましょうね。
きょうは、あめがふらなくて
でも、ゆうがたさむかったからみんなでかえって
きがえたこ、
ゆかたのうえにいちまいはおったこ。
にじこは
ぼんおどりまでずっと
ゆかた。
おどれ、ゆかたのおんなのこ。
ぼんおどりは、ゆかたでもようふくでもよくにあう。
こどもだからおどろう。
まちがってもきにしない、
ふえとたいこと、なつのおわりのゆれるあかりで
おんなのこはきれいにみえる?
おまつりのぼんおどり。
あしたも、おまつりがあるの。
よるには、おおきなはなびのうちあげ。
くもり?
あめ?
ふらふら、ふあんてい。
おてんきのきゅうなへんかにちゅうい。
にじこ、
おおきなはなびみてみたいの。
おまつりのはなびのおはなって、
おそらいっぱいにひらくでしょう?
あしたもあめがふらないで
みんなでおまつりにいける?
にじこはいいこにしています。
かなえてね、てるてるぼうずさん。
うちあげはなびがおそらにあがって
きれいなおはながいっぱいさいたら
もう、ゆかたをぬいでおふとんにはいって
なつやすみに、ありがとう。
またつぎまでだから
にじ、はなびはみてみたいの!
てるてるぼうずさん、
にじこ、あしたもおにいちゃんとおまつりしたいの。
おねがいします。