さくら

『か』

どこからか
おとがした?
ぷわーん。
ぷいーん。
みぎににげた──
と思ったら、ひだりから
ぷいぷい
ぷーんと
やってくる。
あいつのなは
か!
でたな!
つららおねえちゃんが
おいかけまわす。
まったくもう!
これだからなつは!
あついし!
あせをかくし!
それをきいて
はるかおねえちゃんが
とびはねるよ。
びっしょりあせをかいたら
おせんたくをするね。
おうじさまのふくは
あせくさくないかしら?
いつでもはるかにまかせてください。
くんくん
においはどうでしょう?
さくらも、くんくん。
お兄ちゃん、
おなかか
せなか。
たぶん──
あせくさい。
きがえなきゃ!
したぎをぬいで
ぱんつをぬいで
せんたくかごにきちんといれたら
あたらしいぱんつをだして
とりかえよう。
はだかになるから
そのついでに、
さあ!
ちっくんしてくる
あの、か!
に、さされていないか
みてあげないといけないんだって。
はるかおねえちゃんは
さあさあ、
さあ!
おふろにどうぞ!
さくらちゃんはどう?
かにさされていない?
つめでかいたら
もっとかゆくなってしまう。
そんなことしたら
こまったこ。
ひんむいてしまうよ。
おふろにどうぞ!
さされていたら
あとでおくすりをぬろうよ。
いいこにできたら、きょうのばんごはんは
ひやしちゅうかです!
さくら、かにさされていなかったけど
いいこできがえて
はるかおねえちゃんにおふろにいれてもらったから
たまごやき山もりひやしちゅうかだったの!
お兄ちゃんは、かにさされてなかった?
つららおねえちゃんは
かににげられてしまって
おまけに、かえりうちにあってうでをさされていたので
こんなかがでるところには
いられないって
とだなのカップラーメンとおちゃだけもって
おへやにもどってしまったの。
かは
おそろしい!
つららおねえちゃんではかなわない。
ばんごはんのとき、はなしをきいて
ヒカルおねえちゃんが
このくらいのあいてはなんでもないって
はしでつかまえようとして
はるかおねえちゃんにおこられた。
おうちのみんながあつまっても
はがたたない!
か!
しかも、
いっぴきだけじゃなくて
にひきもいる!
かがいやがるけむりをたいて
おいだすんだって。
でも、ちょっとにおいがするから
ちいさいこは先におへやにかえるの。
あしたになったら
かはいなくなっている?
あのね。
みぞれおねえちゃんがね。
つららは、かっこいいところをみせたかったんだ、
だって。
うんどうしんけいが
ばつぐんだけれど。
かぞくをまもりたいきもちは
いっぱいだけれど。
うまくいかなかったつららおねえちゃんを
お兄ちゃんならはげましてあげられるかもしれないって。
かのいっぴきやにひきにかまれても
おとこならへいきだと
つららにみせてやれ!
みぞれおねえちゃんのおはなしは、
かがまたきたら
うえをぬいで、かをひきよせるおとりになって
そこをつららおねえちゃんがたたけばいいというさくせん。
かをあいてに──
うまくいかなくても
すぐにあきらめるな!
さくらたちのおへやは、おそとであそんでいるゆうがたに
お兄ちゃんとおねえちゃんたちが、ひなたのおふとんをいれながら
けむりをたいてくれたんだって。
かがいなくて
よくねむれるの!
あした、かがきたら
お兄ちゃんはうえをぬいでかをつかまえるかな?
さくらがうとうとしてきたところに
ぷわーん
ぴとっ。
ちくってした!
みづきちゃんが、まどのあみどをあけて
つきをみていたから
はいってきてしまったの。
めいげつじゃ!
さくらが、そのよこで
わーい、おつきさまだーって
おどっていたからなの。
うえーん。
みづきちゃんは、おつきさまをみると
こころがおどる。
おしえてくれたよ。
なつのおそらには
こぐまがいる。
はくちょうがいる。
おうじさまのペルセウスは、おうまにのってそらをとんで
おひめさまをたすけにいくよ。
なつのおそらにも、おうじさまがいるんだね。
お兄ちゃんは、さくらがかにさされてしまって
たすけにきてくれる?
お兄ちゃんがおうまにのってとんできて
かゆみにおくすりをぬってくれるから
さくらはあんまりつめでかいたりしないで
まっています。
かをつかまえるときの
ぱん! っていう大きなおとがしたら
さくら、おどろいてしまうの。
とびあがっちゃう。
とんでとんで
なつのせいざになってしまうかもしれないの!
お兄ちゃん、さくらがとびあがりすぎないように
かがいたら
やさしくつかまえてね。