2017-01-01から1ヶ月間の記事一覧

観月

『じゃんけん』 古い昔から人は 神に祈り、神に試され 目に見えない運命に愛された者も、呪われた者も 等しく人としての命を生き抜いてきた。 お告げに従って掘れば水が湧き 龍の住処に雨を願って飛び込むことも 風に運ばれる病を森の社が沈めると信じ 大き…

『たたんでとじて』 毎日増え続ける空箱。 お菓子の箱 おもちゃの箱 お届け物の箱 ティッシュの空き箱 レトルト食品の外側の箱。 とっておいて 切ったり貼ったりして遊ぶんだと みんなが持っていくの。 そんなに── 必要になるものなの? どうせまた放り出し…

虹子

『つちのめぐみ』 ほってほって またほって えいやっと シャベルをつかうと いいものがでてくる かれはのしたの くろいつちのなか。 まるいいしや のびたねっこや かたまったしろいかけらが どっさりすがたをあらわす。 にじこがつくるすなのやまに ならんで…

海晴

『おもちゃあそび』 小さい頃は お気に入りのおもちゃがあったら いつまでも手放さないで持ち歩いて ママがあきれてしまったような かすかな記憶が残っているの。 そんなによく思い出すほどのことではないけど 今でもおうちの中をおおはしゃぎで走り回る 小…

吹雪

『アナライズ』 見つけることがあると ときどきメモ用紙に書き込み 覚えておくもの。 たとえば 好きな食べ物、 嫌いな食べ物などは 細かく刻んで食べてもらうときなど 同じテーブルについて眺めていると 気がつかないで食べているらしい──そんな観察を重ねて…

さくら

『ねずみがやってくる』 ねずみが かくれているの。 あしがはやいはやい はやいねずみ。 とだなのおくから かりかりおとがするんだって。 なんでもかじってしまうのがねずみ。 さくら── テレビで見たことがあります。 ジャングルをはしる ねずみのなかま。 …

小雨

『親しいお客』 わ、 わ、 わわわ たいへんっ! みんなのごはんに 並べたお皿、 ひとつのお皿に一人前。 数を数えて みんなのお顔を思い浮かべて 元気な子には少し大盛りで 用意していったら ママがいない分の あーちゃんから私たちとお兄ちゃんと いちばん…

夕凪

『鬼が島』 知ってるでしょう? 夕凪が言うとおり 世界はミラクルなの。 歌を歌えば うれしくなるし 夕凪が踊れば あーちゃんも踊りだす。 かわいく歌って 後をついてくるよ。 いいでしょ。 奇跡が起こるのは 夕凪とお兄ちゃんの周りばっかり。 それと、夕凪…

氷柱

『願い事』 初詣のときからいつまで有効なのかしら。 覚えてる? 今年初めての願い事。 無病息災を誓ったところで 全部きれいに忘れて 薄着のままこたつで寝転がっていたら意味がないのよ。 私が一番望んだことは 意味のわからないお祭り騒ぎで 貴重な時間を…

あさひ

『うぷっぷー!』 あーんおんば ふわあーば。 ぬわーお! ぷおわーお! ふわっぱ。 おおっ うにゅーま! ふわっちゃ! あば…… ばるおっちゃ! ぴぴっぷおんぷぅ うぷっぷー! (あさひのおねえちゃんたちは おきがえしたいの。 おしゃれがすき! かわいこち…

吹雪

『ラブレター』 あと一ヶ月もしないうちに バレンタインデーが訪れます。 時間は24日ほどです。 年が明けてから今日までを あっという間だったと感じる場合は そろそろ腰が落ち着かなくて 支度をはじめるのだと聞きました。 一方で、毎日の予定を立てて 計…

真璃

『目と目で』 思い出していたの。 あの激しい日々を。 言葉にして伝えることができないはるかな距離で お互いを見つめ合った 女王と騎士の二人だった頃を。 だって氷柱お姉ちゃまは あいさつはしっかり 声を出すのが 元気なしるし! 今日も元気ですって 言葉…

綿雪

『かすかな声』 日が傾いて窓を閉じ 暗い夜が来てカーテンを引くと 冬はもうそれっきり 外からは音も届かず しーんと静まったまま。 みんながいてくれるときはいいのに なんとなく一人になったとき それとも言葉がふと消えて 忘れたように何も言えなかったと…

星花

『暴れ牛』 どどど どーんっ! などと 小さい子たちがお庭を走り回り お姉ちゃんたちを見つけると どんどん突進をしてきます。 大声を上げて おーいって呼びかけながら スピードを緩めず 方向転換も考えないみたいに ひたすら まっすぐに! ぶつかって困らせ…

『小さな夢』 大掃除の時にあらわれて いまだにしまいかねている 本の山。 いつでも押入れに持っていけるように ビニール紐のお供を脇につけているんだけど せっかくだから縛る前にと思って 開いてしまうと もうだめですね。 わかっているのにね。 卒業アル…

春風

『スイートホーム』 初めて出会った日、 胸がときめいて 心の扉は大きく音を立てて開いていました。 あのときには 大きな嵐に揺れる心地で このままどうにかなってしまうのかと思ったけれど 意外となるようになるものなのか とりあえず今を迎えることができ…

虹子

『スポンジ』 ふわっふわのスポンジ。 あらいものをすると ぎゅーっておみずをすいこむ けなげなこ。 しぼると おみずがだばだばでるよ。 おさらをきれいにするためです。 みずをすって みずをすって まだまだすいこんで ぎりっぎりまでふくんだら そこから…

青空

『あそび』 あのね そらがおいかけるから おにいちゃんは にげてね。 はしってにげて。 ほんきで。 はやいあしなの。 それをそらがつかまえて やきそばのにおいのする おにいちゃんのふく あったかふく ふわふわに そらのかおをこすりつけて やきそばのにお…

『ハリウッド』 映画は好きか? 私もおそらく好きなほうだと自分で思う。 家にいても見ることができるし 途中で眠ってしまっても 一緒に見ていた人からあらすじを聞けばどうにかなる。 リビングにレンタルのDVDがいくつか置いてあったから 冬休みの退屈な…

立夏

『タイムトラベラー』 つい先日。 大掃除でばたばたしていたのが 昨日のことのような── それにしては こんなに大変だって忘れかけていたような。 年末に片付けたばっかりだけど 大事なものはちょっといい箱に入れて しまっておきたいじゃん? いいものが増え…

小雨

『コンパクトに』 遅れて出した年賀状のお返事は 直接会ってもらえるようになり 学校のお友達とも そろそろ年始の話題は少なくなっています。 あとは年賀状をまとめてしまっておけるように 整頓をして箱にしまっておくのが 一月も半ばを迎えた頃のみんなの時…

観月

『一番星』 夕刻、 ことことお鍋とまな板の音が聞こえる頃。 まり遊びのまりがころころ転がって 玄関から出て行ってしまった。 お外はすっかり暗くなり 追いかけるにも 腹の中から勇気を出して よし、 それっ、 どうじゃ! みたいに こわごわとドアを開けて …

海晴

『冬の天使たち』 山間部に大雪を運んだ低気圧が過ぎ去り 冷たい雨で濡れた私たちの街は 今日は午後から冬晴れのいいお天気。 こうなると、はしゃぎ出す小さい子たちは 雪は降らないの? このあたりは積もらないの? まるでお天気お姉さんが雪を降らせる力が…

さくら

『すきま』 ぽつぽつ こさめ。 あめのおとがきこえてきたら とてもさむいよるになりますよって おねえちゃんがおしえてくれるから。 さくらは つめたいおへやにならないように カーテンをしめてまわります。 まどのはしっこ あわててカーテンをしめてまわっ…

ヒカル

『週末の天気』 すっきりいい気持ちになる晴れの日も 風は冷たく頬を切り 私たちの街は冬真っ只中。 知らず知らずに急ぎ足になっていた帰り道も ぷるぷる震えて待っているみんなのことを思う。 関東地方のあちこちで 雪の予報がちらちら見られる 日曜から月…

『新年の目標』 あけましておめでとうございます。 大晦日が過ぎていくあの日、0時を境に 生まれ変わった新たな年。 新鮮な気持ちで誓いを立てるには 今が一番ふさわしいからって 新雪のように真っ白な紙と向き合い 自分の気持ちをまっすぐ見つめた 元旦か…

夕凪

『酉年』 あけましておめでとうございます。 もう五日。 家の中で顔を合わせては 新年のあいさつ。 学校の友達に会いに遊びに行っても 元気にはきはきごあいさつ。 届く年賀状もまだまだ謹賀新年。 いいことだから 飽きるまで。 それに 去年練習した鳥の絵を…

観月

『氷の園』 まぶしい初日の出と共に 年が明けて 三が日もきのうでおしまい。 これでお正月気分もなにもかも また来年までの辛抱なのじゃ。 あとはのこったおもちを切って あったまるお雑煮をいただくのが最後の名残り。 しんと突き刺すような寒さの中にも ど…

青空

『おみくじ』 じんじゃで みつけた ゆかいなもの。 いちまいひくと わーっていって おかおがおもしろくなる。 ひろげて みせて あるきたくなるの。 それが おみくじ。 ながいひらひらのかみいちまい。 なにがでた? なにがでた? ぎゅーっ だっこして だいじ…

星花

『おせち料理の残り』 三段の重箱も だんだん残り少なくなってきましたね。 入りきらなくてはみでてお皿に乗った分もほぼ消化済み。 最初は見慣れない食べ慣れないものが多くて おっかなびっくりで箸が進まなかった子がいても みんなにつられていつのまにか …