2015-03-01から1ヶ月間の記事一覧

吹雪

『パワーファイター』 他のどのような種類の生物と比べても 人間が特異であるとするなら。 そのために他の動物と比べて有利と考えられる点があるならば 何であるのか。 道具を使う生き物である。 社会生活を営む。 コミュニケーションに言語を利用する。 い…

海晴

『春の陽気は』 氷柱ちゃんの説得が実り 動物園行きは予定通りの日付に決定。 あれは説得というか 春休みなんだから家で仲良くして みんなゆっくりするべき、 と主張する氷柱ちゃんを見て これはどうやら 動物園そのものが予定からなくなってしまうかもしれ…

氷柱

『ステップアップ』 やさしくする とか。 相手のことを考えて とか。 そんな立派なお題目は とうてい、強情でめんどくさい私の性格とは縁がないって みんなも知ってる。 私も知ってる。 誰だって疑いもしない わかりきった前提。 なので テレビのチャンネル…

さくら

『くまさん』 さくらの好きな くまさん。 やわらかくって ふわふわで おおきくて あまくって はちみつだいすき。 もう…… とっても かわいいの! でも、さくらちゃん。 春はきをつけて。 お兄ちゃん、さくらは聞いてしまったの! あのね。 くまさんは冬のあい…

小雨

『終業式』 この一年の締めくくり。 体をこわすこともなく がんばって通った学校の毎日。 今日からは、少しお休み。 家でゆっくり 次の学年が来るのを待つ時間です。 ふと振り返ると── 小雨は、 いつも泣いていたような記憶ばっかりだけど。 どうにか一年を…

真璃

『夜明け』 フェルゼンは聞いた? あのおそろしい悲鳴を。 まっくらな夜の時間がようやく明けはじめ カーテン越しに差し込む白い光を ねぼけた頭で確認した頃、 とつぜん響き渡った 家中の窓ガラスを揺らす まるで大猿が泣き出したような甲高い声! 窓ガラス…

海晴

『春の予定』 また寒さが戻ってきたような 冷え込みを感じる朝でも 残り少なくなったこの一年を最後まで楽しみたくて わがやの小学生六人は出かけていきます。 元気な声で、 弾む声で、 落ち着いた子はそれなりに大人っぽい声で いってまいります。 それぞれ…

『スナイパー』 きらきらした目が 狙っている。 もうあんまり のんびりしてはいられないの。 自己主張が強い女の子は はしたないとか 一人の意見ばかり続けていて 嫌われそうだとか 怖がっていてもどうにもならない。 まず最初は 心の中で揺れるかすかな声に…

綿雪

『ピーマン』 毎日をすくすく 良い子で元気に育つ ちびっこたちの前にあらわれ 大きく立ちはだかる高い壁。 その名はピーマン。 うつくしい緑色をした 苦味の悪魔。 お買い物帰りの働き者を おかえりなさいの歓声でお迎えした夕方。 荷物がいっぱい詰まった …

星花

『開花予想』 私たちの住む町で 桜の花が開くのは 24日頃になりそうな様子。 やがて 家族みんなで、満開の桜を見上げて きっときれいに咲いている花に 大きな声を出して驚く日も もうすぐですね! 見渡す限りが春の気配。 お庭の桜も。 町の桜も、どこもか…

立夏

『はだか』 あまつかさんちの こどもたちの 伝統は はだか。 というか おうちでは、の話。 他の天使家さんちはわからないんだけど。 とにかくもう 家の中、どこをみたって あたりまえみたいな はだか。 いつもはすまして ごしゅじんさまなんだから いうこと…

『かふんしょう?』 責任重大。 蛍がとっても喜ぶから、というわけで もうずいぶんむかし、 小さかった頃からずっと。 任せてもらっている 毎日のお仕事。 それはただひとつ、 みんなが元気で明るく過ごせるようにするための ただのお手伝い。 お掃除も お洗…

青空

『あつあつ』 あっつーい! まだ さんがつなのに きょうはもう ごがつの ようき! みはるがいうよ、 ようき! かしこいいもうとが だしてくれた はるのふくは たんすのにおいが ほんのりです! もうすぐ、はるのにおいにそまるでしょう。 よほうでした。 ふ…

吹雪

『メモリーズ』 人間の記憶は いつでも とても悲しいことも 普通に過ごした 何事もなかった日の思い出も ひとつの例外もなく 常に、視点になっている存在の主観によって分類が行われるので。 今日の氷柱姉のように なんだかだまりこんで うつむいて、赤い顔…

虹子

『りゅうこうはっしんきち』 おにいさんと おねえさんが あつまったらはじまる うわさばなし。 しってる? はるのおようふくをかさねる ことしのいろ。 じゃあこれは? みたひとがいるって。 こうえんのゆうれい。 ひえーっ ぶるぶる。 あんなこと、こんなこ…

ヒカル

『猫の手』 コートを脱がすのは太陽。 北風じゃない。 力技でこたつからひっぱりだしても 目を離したらすぐ もそもそ。 戻っていく。 そういうわけで、 蛍の目を見ると これはどうも、私に期待するというよりは 誘い出して、ひきずっても くたんくたんに力が…

春風

『相手にとって不足なし』 たとえ家族思いの 立派なライオンと、まっすぐ向かい合ったとしても 春風は胸を張って言える。 大切な家族を愛することなら 春風だって負けてなんかいないと。 こわいライオンがいくらにらんできたって たぶん負けない。 大丈夫。 …

あさひ

『がお』 がーお! がおがお! ぶるるるーっ っぱ! ぺろぺろ ちゅうちゅう。 はむはむ ふわっばー! あーたん、むっばー。 にゃーにゃ、なんな、あおっばー! ふんぬっ わおー! がおー! がおがおー! (きょうのあさひは ライオンさん! けものたちのおう…

立夏

『明日まで』 うっひゃー! オニーチャンは おしりに根っこが生えたことってある? ただいまこたつに 丸まってもぐりこんだ タイミングよくリカが そのまっさいちゅう! ううっ もう うごけなーい! 春が来るまで こたつから出られない…… このままじゃあ ご…

夕凪

『おおかぜ』 強い風! おそろしいあらし! 自然のちから。 どっひゃー! ひゃー! びゅびゅー! ううっ さ、さむーい! さむいさむい よー! よー! よー…… 夕凪 こおっちゃうよー! 指先が、ひえひえ! さわってみて! びっくりしてみて! お兄ちゃんのち…

『ふたりきり』 気がつくと 次第に── 全てを染めて眠りにいざなう闇が 降りてくるまで時間がかかるようになっているから。 今日のおつかい当番は ただふたり。 ゆっくり帰ってきても大丈夫なので 学校帰りに時間が空いている子がいたら 立候補してください、…

観月

『カレーライスパワー』 おみず── おみずは? ごはんどきの 牛乳 おちゃ コーヒー。 いや、小さい子はコーヒーというわけにはいかない。 なにしろ苦いので なんだ これ! おおさわぎになってしまって おおよろこびなので。 ごはんどきに、コーヒーでさわいで…

真璃

『毛糸の季節』 おうちのかわいいアイドルのあーちゃんが 今日学んだこと。 それは、毛糸は食べるものではないということ。 さくらが落としたら転がって逃げる毛糸を見つけて ああっ あんばー! 今までこんな動きをするものが部屋の中を走ることなんて 一度…

吹雪

『行ったり来たり』 数日の間、暖かい日が続いて 春の兆しが 私たちの住む、全国的に見れば小さな町にも 足音を聞かせつつあるのではないか、 そう考えていると。 重く厚く層を成すねずみ色の雲が 日差しをさえぎると 地上の生き物たちは、震えることしかで…

星花

『桜の季節』 お雛祭りのお祝いで お雛様が まるで小さい子の引きずる洗濯籠みたいにどっさり 盛り沢山で運んできたものは。 女の子らしさ。 すると星花、 きのうより背が伸びてる? そういうことじゃないみたい。 むむむ。 レディになるまであと何年? きっ…

ヒカル

『次の日の朝』 楽しんだ雛祭りが終わったから 今日は後片付け。 マリーが主張するには おうちの女の子はいい子ばっかりなんだから お雛様をしまうのが遅れても、お嫁に行き遅れるなんてことはない! だそうだけど。 まあ、いつまでも出しっぱなしにしておく…

夕凪

『たのしいひなまつり』 甘酒の苦手な子は ビンの栓を抜いてあげる! 今日はオレンジジュースで。 行き渡った? まず最初は 声をそろえてかんぱいしたら お祭りのはじまり。 おかわり あります! あんまり飲み過ぎないように注意、の甘酒。 アルコールは入っ…

『なにいろの?』 明日は雛祭り。 日本全国、この日は一般的に 雛人形を並べたり ちらしずしを用意したり お雛様のコスプレをしたりして 女の子の成長を祝うお祭り。 我が家もかなり女の子が多いから どうやら世間の風習に合わせて キッチンはずいぶんカラフ…

海晴

『三月』 三月のはじまりは 天気図の様子も、どうやら春まだ遠く 予報では、雨と雪のマークが日本列島を覆う。 まだもう少し おうちの中であったかく。 小さい子たちも うがい、てあらいをちゃーんとしたら てがつめたーい! 私たちの膝に乗って 日ごと重く…